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シングル「流刑地にて-Live20220521-」5月25日発売に寄せて

 
-「流刑地にて」リリースに寄せて-

2003年5月25日、バンド「Physalis」の初ライブをして以来19年、いわゆる「SASAYAMA.」の誕生日である7月11日とはまた趣きが違い、あくまで個人的なもの、という認識が今となっては強い日付でもあるこの日に、カフカの同名作品からインスピレーションを受けて書き上げた「流刑地にて」をリリースすることにした。

「相対する相対」「韜晦する正体」というフレーズに向かう婉曲的な一本道の時間を、蛇足なく、あるいはあえて充足させることもなく、聴き方、とらえ方によって、それは覚醒なのか酩酊なのか、という危うさまでも明確に保持させることを目的化したかのような文字と音の並びや響きが、ともすればみすぼらしく、そして美しい。

珍しく晒してしまえば、この楽曲は自身にとって「作曲」という作業と、思考における曖昧さとを並列化した表現をいい塩梅で重ねられた点が特にお気に入りで、たとえば19年を歌い、音楽作りに費やしてきた時間が、そういえばこんなものだったな、などと思えるほどにふさわしく、20年目への幕開けとなるリリース曲として選ぶに至った。

内容としても、初ライブの日付、に見合うように、直近、5月の定期公演の「ライブ演奏」からシングルカットし、かつ、単独作品として表出させるべき音楽表現を反映させた音響処理を諸所に施して仕上げている、ともすればこれはある種の「音楽家」としての挑戦が、当然ながら未だ継続中である、という明白な宣言に他ならない。

文字にするとこんな風になるのだな、とこの文章でさえも感じることがあるが、それはそれとして。
19年、どうもありがとう、そして20年目もどうぞよろしくしてください。

2022.05.25 SASAYAMA.

思考回路のぞきこみオーバー 探しものは其のまま
中身のないまんまのドロワー

とつとつと 後悔ばかりが牙をむき 針は十二時を指す
大体 秤にかけている さむい国 ここは流刑地

御託並べて取り出すジョーカー お召し物はお子様
叫びだしても居ないフォロワー

こつこつと 後悔ばかりで牙をむき 針は十二時を指す
相対ばかりで欠けている 眠い夢の中

書き記せ命 刻み込めドア 戯れのエゴ ひまわり
あぶりだせ 日々を刻み込むなら 開くのは罪の顔
夢の跡ばかり 数え始める 屍の群れ くちなし

あと何回 正体不明の夜が来て 針は十二時を超える
生涯無名で飾られる 素晴らしい夜 其処は流刑地

相対する相対 韜晦する正体