Living On the Night.089-100 神話体系 ※2018.04.14-2019.03.23
2018年7月の活動十周年と、定期公演100回を迎える節目に、通称「神話」シリーズとして熟慮の末、敢行された。
「世界神話を音楽表現に体系化、収斂すること」をテーマに、あらゆる構造的アプローチが成された、空前絶後の傑作回。
全発表曲演奏、音響効果使用、三部作構成化、モチーフテキスト公開など、講じられた制作手段は枚挙にいとまがない。

 

▼第壱部「人々」

▼2018年4月14日(土)「Living On the Night.089 ~虹の蛇~」
OPEN 18:30 / START 19:05 / 料金 5000円
・会場 KOBE 16bit
・出演 SASAYAMA.
・演奏 全23曲
ハミングバード メロディー ドラマティックブルー クロゥラー あじっさ DemonstrationS 黒猫の合鍵 Blue Jeans 帰りたいあの日がないなんて嘘 ふわりはらり パラダイスナウ matilde レインダンス 窓 Mr.Ambient SAY SAY SAY MaGnItUdEhIgH こっち来んなよ そんな顔をしていた head line
-アンコール CHOCO-HOLIC Syndrome 丘を越えて 鐃歌
(SE:OVERTURES by Alfred Reed / 入場:髑髏城の七人~アカドクロ メインテーマ)

「虹の蛇」
たとえば、黄金のような光の残影に出会ったそんな時。
そんな朝、そんな夜には、大切なそれをひとつ、またひとつと心から追い出すものだ。
いつでもどこにでもいくらでもある、向き合う振りをしたそれを、大切さを見せつけるばかりのそれを。

悲しみとは、さよならをなぞる前の道筋にただ落ちている。
大切な朝も夜も、それらは驚くほど当たり前の顔で、足取り密やかに近づいては通り過ぎてゆく。
そうして僕たちは、いつでも同じことを知らない。

望むと望まざると拘わらず、都合の良い何かのために、また別の何かは奪われている。
それぞれが理由であり結果であり、衝動である仕組みのすべてを、否が応でも飲み込んでいる。
まるで世界こそが、途轍もない蛇の模倣であるかのように。

ならばこそ闇の泉にうち潜み、棲み家を探してさよならをしよう。
創造の中に二千年の雨を呼び、別離の虹を渡るのだ。

始まりの夜は迫り、黄金の時代から流転する周回の幕開けに向かって夜は深い。
雨の向こうにかかる虹を願う、すべての愛に、心からの喜怒哀楽を。

 

▼2018年5月5日(土)「Living On the Night.090 ~聖剣~」
OPEN 18:30 / START 19:05 / 料金 5000円
・会場 KOBE 16bit
・出演 SASAYAMA.
・演奏 全22曲
ハミングバード ホームルーム ライラ Riverside Crimson 鳴き烏 真夜中はオンタイム チェックメイト BLACK in the BOX 告白 プロメテウス ロマンスストラグル シング フィフティ・フィフティ ロジカルゲインマスターズ ウグイス嬢 自動人形 ポエティック・ジャスティス 残像モノトーン ブレイブストーリー だから
-アンコール 群青 イノベーション
(SE:吹奏楽のための第一組曲 ラプソディ・イン・ブルー エル・カミーノ・レアル / 入場:Tank!)

「聖剣」
そこかしこに転がる当たり前の望みには、相対する場所にも、願いが存在するものだ。
隠したいほど大きな望みと同じように、膨大な願いは息を潜め、いつでもこちらを見ている。

争いは善悪では起こらず、結果が呼び出すものは全てが欺瞞だ。
正しさと正しさとが衝突する、ように見せかけながら手を組み、じっくりと生み出す魔物だ。
そうして魔物を打ち倒す象徴、つまりは魔を上回る何かが聖なる力、となる。

しかしながら、聖なる力も結果であり、消えゆくものを魔にするのは、いつでも生き残るものだけだ。
生き残った聖も、枯れ果てた魔も、どちらもが、膨大な、あるいは莫大な何かの願いだったろう。

愛はといえば、本当はどちらにもあり、結局は選びゆくものからしか、何もかもは測れない。
生み落とし、感じれば手に取り、選び捨て、そして愛する。

わかるか、人間どもよ。あるいは、わかるだろう、人間ならば。
形代は時に願いの剣となり、後、誰かや何かの都合で、望みの形に変わるのだ。
たとえば、願いの種類は一体どれほどのものだろう。

 

▼2018年6月16日(土)「Living On the Night.091 ~貴種流離~」
OPEN 18:30 / START 19:05 / 料金 5000円
・会場 KOBE 16bit
・出演 SASAYAMA.
・演奏 全24曲
日、めぐり ハミングバード ニビイロ true time ローテーション 赤裸々イミティション ドラマティックブルー 夜の続きを 聖者の行進 丘を越えて 残像モノトーン 夜空と月のブルース 東京 ずっと月を見ていた 会員証 一矢 FACTIONoISE 足音 水離れ 楚歌
-アンコール 今宵の月のように ~マルディグラ~ こっち来んなよ
-ダブル 告白
(SE:Ravi Shankar “Genesis” / 入場:カーニバル)

「貴種流離」
スピーク・ライク・ア・チャイルド、子どものように話そう。
たとえば夢、たとえば旅、たとえば花、そしてたとえばまだ見ぬ日々だ。

夢のような日常の中で、誰もが等しく時間を食らい、目は高さで選ぶ旅を始める。
選んだ花のすべては、まだ縛られはしない心が生み出す始まりの種だ。

花を咲かせるものだけが種ではなくとも、咲けなかったものたちは、目には見えない。
その密やかさを知らない心達が、諸手を挙げて迎え入れる尊さを、この世の多くは愛と呼ぶ。
そうして素晴らしさや尊さは、いつしか自己以外の何かによって選ばれ、決められてきた。

心を単純化し、尊さを保つ為の作為は、選び続けることを選ばせ続け、時代はそれを繰り返す。
だがしかし、尊さを失わず、ただ決め続けることは、よりひどく難解で、残酷で、美しい。

スピーク・ライク・ア・チャイルド。子どものように話そう。
選ぶか、決めるか、それをもまた、選ぶのか、決めるのか。
夢の話を。旅と花の行方を。そしてたとえば、捨ててきた種を。

 

▼2018年7月14日(土)「Living On the Night.092 ~ヒーロー~」 Thank you SOLD OUT!! ※SASAYAMA.十周年月
OPEN 18:30 / START 19:05 / 料金 5000円
・会場 KOBE 16bit
・出演 SASAYAMA. 五十嵐雄大(EG) シンザキ(MC)
・演奏 全21曲
Sagittarius ブレイブストーリー 自動人形 Acoustic Night 風が泣いている 風花 梅雨籠 Xanadu 各駅停車 Susanna 現実逃避(シンザキ) Keep ON 群青 ニビイロ head line Bad things リビングオンザブルーズ ハミングバード
-アンコール 鞆音 ロマンスプロムナード with 五十嵐雄大
-ダブル こっち来んなよ with 五十嵐雄大
-後説 「やっぱりSASAYAMA.は僕のヒーローです」 by シンザキ
(SE:HEROES SONGS / 入場:おもちゃやめぐり)

「ヒーロー」
遅参するものは英雄ではない。しかしまた、遅参しないものはそもそも英雄になれない。
必要悪と相対善、そして機運の両立、つまりは危機の存在が必須なのだ。
過去と未来とに彩られた上にしか、英雄は生まれない。
安寧を脅かされ、怠惰な渇望の上にだけ存在し得るものが、そう呼ばれるものなのだ。

などといった欺瞞じみた真実では、人々はいつの時代も喜びはしない。
仮初めの正義や救いを求める人々は、いずれも神を生み出し、同じ理由で悪魔を生んできた。
大切にすることなく、されることだけを望み、能動的に生み出す獣が英雄なのだ。

意志ある獣は、己の目と耳を頼り、望まれずとも叫んでいる。
往々にして忌避されてきた化け物こそが、本当の英雄の姿ではなかったろうか。

おそらくそのすべては、人々という土壌が育む結果論だ。
受動が生んだ呼び名などとは無縁に、獣はただそこに在る。
望まれずとも、叫んでいる。

 

▼2018年8月11日(土)「Living On the Night.093 ~竜殺し~」 Thank you SOLD OUT!!
OPEN 18:30 / START 19:05 / 料金 5000円
・会場 KOBE 16bit
・出演 SASAYAMA.
・演奏 全23曲
ハミングバード
-Lap1 headline Bad things
-Lap2 リベルタリア だから
-Lap3 Acoustic Night(19:35) インザネーム
-Lap4 Keep ON 足音
-Lap5 Room100 ソーシャルエンカウンター
-Lap6 ドラマティックブルー(crescendo) サクロモンテの丘(gitana)
-Lap7 プロメテウス ホームルーム(バアル)
-Lap8 一矢 群青
夢のカウボーイ 夜行虫
-アンコール 各駅停車 君住む街 楚歌 R269
(SE:D.Q MUSICS / 入場:ロトのテーマ)

「竜殺し」
古今東西、描かれる強大な存在の出処はいつでも不明瞭、かつ、不可思議な禁忌だ。
挑みかかること、それ自体の為の存在として、確かな不確かさを伴っている。

まったく醜悪な完成図のような話だが、人の世界では信じさえすれば存在できるのだ。
畏怖でも従属でも構わず、そこにあるものは擬似的な臣従に他ならない。
その臣従を、人は時に神と呼び、悪魔と呼び、時に奇跡と呼び、そして殺すのだ。

事ここに至っては、真実ですら些末事に過ぎず、本質はすでに消滅している。
そうして消滅を知った歴史たちは、無を有にすることを覚えてきた。
それらは時に武器となり、時に手段となり、時に竜と呼ぶのだ。
禍々しさや呪いにも似た力をも、等価交換のように引き連れ、ならばこそ、殺せるのだ。

数限りない結果論を引き連れ、いつか名前がつけられる日を待っている。
そうして名付けられた何かを終わらせる出来事を、ずっと夢見て待っているのだ。

 

▼第弐部「神々」

▼2018年9月15日(土)「Living On the Night.094 ~ハイヌウェレ~」
OPEN 18:30 / START 19:05 / 料金 5000円
・会場 KOBE 16bit
・出演 SASAYAMA.
・演奏 全20曲
ハミングバード 鐃歌 日、めぐり みたいな カオナシ Plastic Lover サプリ ドラマティックブルー Carrot リベルタリア 順番待ち 楚歌 もう行かなくちゃ 風が泣いている シンデレラ ホームルーム 告白 群青 R269
-アンコール ウグイス嬢~埋められがちな少女~
(SE:Planting Improvisation for Hainuwele / 入場:Growing Improvisation for Hainuwele)

「ハイヌウェレ」
瑣末なことも、些細なことも、人間たちのものは、言葉も文字も、いずれ淘汰する。
出したものの行方など、多くは知ることを知ろうとはせず、知る必要もないのだ。

「いくらほってみてもまったくもって、なんのことだかいっさいわからない」

人々が声なく、排泄とも呼ばわるそれも、財宝というならば、それは財宝なのだ。
埋められ、植えられた意味や血肉の理由など、瑣末であり些細なものだ。
そういった闇に沈む意味や理由を、時に人は神々と拝し、芸術と呼ぶ。

人類の財宝たる辞書に芸術をひけば、表現物と鑑賞者が相互に作用し合うこと、とあり。
芸の文字を紐解けば、本来は植えることであるという。
意図せず、自覚せずとも、不要の才である芸にはいっさいが植わっていたのではないか。
植え続けられ、食べ続けられる神々が芸術ならば、哀れみをも施すべきではなかったか。

枝を折り、祈っては食べる。
出したものの行方など、多くは知ることを知ろうとはせず、知る必要もないのだ。

 

▼2018年10月13日(土)「Living On the Night.095 ~死と再生~」
OPEN 18:30 / START 19:05 / 料金 5000円
・会場 KOBE 16bit
・出演 SASAYAMA.
・演奏 全18曲
mirror DemonstrationS ENEMYZERO Gone to Born HANG ON 夢の木の下で la Pucelle 会員証 せめて同じだけ 次の魚 そんな顔をしていた するり 聖者の行進 ずっと月を見ていた トゥーヘブン だから
-アンコール 自動人形 メシアンブルー
(SE:Eternal Melody – X songs / 入場:BLUE)

「死と再生」
目を醒ますことも、醒まさせることも、等しく公平で幸せな出来事ではない。
それでも願うのはエゴでしかないが、それもまた不平等な天秤にはお似合いなのだ。

死には再生がつきもの、という集合的無意識は、不思議なほど強烈に人々に寄り添ってきた。
本当にひとつの死が、また新たななにかの始まりとなるのであれば、どれほどよいだろう。

死を裁く神とは、そう在りたいと願った人類の斜陽だ。
闊達な再生が宥免されないのは、願いを越えられない神の息苦しさに他ならない。

希薄に、密接に、自覚があろうとなかろうと、誰もが関係の中に生きている。
そして再生に捧げられる供物のように、死んでゆく。

しかしながら、死が再生、とはならず、死と再生。
ここに、人間の意思と、神々の価値、の本当がある。
震えながら生きるのか、敢然と死ぬのか。
どちらも本当に素晴らしく、本当にくだらない。

 

▼2018年11月10日(土)「Living On the Night.096 ~トリックスター~」
OPEN 18:30 / START 19:05 / 料金 5000円
・会場 KOBE 16bit
・出演 SASAYAMA. 畑崎洋平
・演奏 全21曲
ずっと月を見ていた ハミングバード SickS レプリカントヴォックス 穴 うまくできない 告白 リベルタリア 残像モノトーン あのとき Keep ON
-with 畑崎洋平(Cajon) BONBAY BLOOD タペストリー マホロバ ならない! 悪魔のロックンロール リビングオンザブルーズ シネマ狂奏曲
-アンコール 化石リズム with 畑崎洋平(Cajon) head line with 畑崎洋平(Cajon) 群青
(SE:交響曲第9番 ホ短調「新世界より」 G線上のアリア パッヘルベルのカノン ボレロ / 入場:動物の謝肉祭 第13曲「白鳥」)

「トリックスター」
秩序を破れ、物語を展開せよ、と定められたらしい其れらの考えはさっぱりわからないが、後世によって二面性を分けられた者達の役目は、まず破り、そして創ることだったのだろうと思われる、しかしながら、それにはまず安寧な規律と停滞する世界が不可欠であり、不可逆性を伴った因子の連続を、人々が共通認識として持ちえている必要がある、という、書き出してみればとても脆弱であり、意味不明な盲信としか表せない不安定の上に、異なる二面性呼ばわりをされる其れらはそのトリックを持ってスターとされているものの、重ねていうが、トリックと言われるその考えはさっぱりわからず、そもそも誰かが理解すべきものなのか、必要な物が何かを考えてみれば自ずと答えが見える錯覚を覚えるが、要するに秩序も破壊も創造もすべて、気ままな行為が後世から名付けられただけの安易な結果論であり、きっとそれは人々がいつの世も行ってきた行為なのだが、世界は太古からその違いを容認せず、また、だからこそ人と神とは折り合わない世界線の中だ、という前提の自由を持って往来する其れらに対し、羨望を向けることこそが人共の証明であり、対象への理解というただ一点の便利な信仰に集約されているが、それすらも不可逆をもってして存在し得ないことが誰にとっても救いようのない悲しみと、それに等しい意義を持って他の追随を許さない喜びでもある、という真実により、秩序も破壊も創造も展開も約束されることが確約されてきた、というルールすらも果たしてはいけないのだから、とても難しい言葉にはなるがまとめよう、タチが悪い

 

▼2018年12月22日(土)「Living On the Night.097 ~半神~」
OPEN 18:30 / START 19:05 / 料金 5000円
・会場 KOBE 16bit
・出演 SASAYAMA.
・演奏 全19曲
越冬 disk over ニジュウク Ash ON 冬花火 ダミー・ボーイ スイートリトルライズ 空気圧 影法師 プラグ 帰り道を覚えている 煙突掃除と羊飼い パノラマ Re:mind 群青 夜の続きを ハミングバード
-アンコール となりのあのこ ずっと月を見ていた
(SE:MAKING THE ROAD / 入場:THE MEANING OF LIFE)

「半神」
たおやかさに対する憧憬の残滓だ。
なぜだろう、ほんの少しだけ外れたものこそが、より光を放ち、また闇に迎えられる。
なぜだろう、途方もなく外れるよりも、醜悪に腐敗臭を放ち、そしてどこかしら近しいのだ。

半ば、人知を超えたもの、そんなものはすでにそこかしこに溢れている。
誰の中にもある。
共鳴しているのだ、その優しさのような何かと、憧れのような何かが。
奥深く、断じて浅く、双方を存分に奮うことに、生半可な執着など到底及びはしない。

感じたい心達の、たおやかさに対する憧憬の残滓だ。
生まれることは、誰にとっても、最初の夢ではなかったものだ。

 

▼第参部「物語」

▼2019年1月19日(土)「Living On the Night.098 ~ウトナピシュティム~」
OPEN 18:30 / START 19:05 / 料金 5000円
・会場 KOBE 16bit
・出演 SASAYAMA.
・演奏 全16曲
ヴァーバリアン ハミングバード もぐらファクション Migration 目の覚めるようなロック・アンド・ロール FLASH アクトレス オートマチックシンドローム Cradle ピクチャーパーフェクト グッバイ、ロマニー Moonstruck カーテンの向こうに たとえば誰もが不発弾を抱いて 何度でも
-アンコール 夜行虫
(SE:In Gabon Africa’80 / 入場:I Feel The Earth Move)

「ウトナピシュティム」
終わったもののすべては、いつも過ぎ去ってから気付くものだし、沸き立ってから揺れるものだ。
けれども、気付くことを知っていれば、揺れることをわかっていれば、とはいかない。
そして多くは、残念ながら、などという属性を与えられるのだが、果たしてそうだろうか。

得て、失い、存在し、消滅する。
流れゆくのは、一切の常だが、流してしまうのは常在ではない。
たとえば箱の中でこそ、水は溢れ波となり、流れゆくものだろう。

大洪水が明け、不死となったウトナピシュティムは、生きているのか。
死なないことは幸せか不幸せか、それは人々ならばこその物語だ。
沸き立つ前に揺れるものを掴み取り、物語を選ぶことが出来たなら、どうするだろう。

終わったもののすべては、いつも過ぎ去ってから気付くものだし、沸き立ってから揺れるものだ。
だからよいのだ。だからこそ、よいのだ。

 

▼2019年2月16日(土)「Living On the Night.099 ~ユグドラシル~」
OPEN 18:30 / START 19:05 / 料金 5000円
・会場 KOBE 16bit
・出演 SASAYAMA.
・演奏 全18曲
アストリクション ハミングバード ソーシャルエンカウンター RISKY LOOSE シネマ狂奏曲 Susanna 39 Dreamin’ Cafe バベル ノンフィクション 嘘つきな国 レプリカントヴォックス 夢の木の下で ずっと月を見ていた 群青 カーニバル
-アンコール アンコール
(SE:ART OF LIFE / 入場:War)

「ユグドラシル」
胡蝶の夢を誰も知らないが、夢の中に蝶はいる。
無限のうちにこそ有限があるように、空虚にこそ充足を見出すように。

はじめから、何もない。

韜晦した何かを衒学的に彩る必要もなく、この一文が全てを物語っている。
世界を形作るのが物語り、なのではなく、物語るのが、その世界なのだ。

ついぞ、ここまできたのなら難しいことはいらない、そもそも、最初からそういうものだ。
ただ在ればいい。語ることが必要なのは、不要なものがあるからだ。

 

▼2019年3月23日(土)「Living On the Night.100 ~アエタス・アウレア~」 Thank you SOLD OUT!!
OPEN 18:30 / START 19:05 / 料金 5000円
・会場 KOBE 16bit
・出演 SASAYAMA.
・演奏 全19曲
一矢 風花 残像モノトーン Acoustic Night ドラマティックブルー ブレイブストーリー 夜行虫 Room100 ハミングバード head line Bad things てのひら インザネーム だから 鞆音 群青 リビングオンザブルーズ 真夜中はオンタイム
-アンコール こっち来んなよ
-後説 シンザキからのご挨拶
(SE:BLACK DIAMOND / 入場:SOLDIER OF LOVE)

「アエタス・アウレア-黄金時代-」
理想とはいわば想像の果てへの到達であり、その原始だ。
人は諸事沙汰の途轍を太平と呼ぶが、原始とは想像の果てであり、それは創造のための想像だ。

連綿とした連続性と、連続した一回性とが、なぜにこうも違いを生むのか。
それでも、と言える幸せと、すべて、と呼べる願いは、その理想と本当に遠いものだろうか。

物語とは過去にしか存在しないものだが、それは果たして何の過ぎ去りであるのか。
途を辿れば形作る過去と呼ばれるものは、未来への遺産なのか、それとも未知の文明なのか。
たとえば、何に名前をつけ、何を描けば黄金と呼べるだろうか。

さあゆこう、我々の理想郷へ。
などと言えば、たいていの格好はつくのだが、そういうものを創りたくはない。

そう、創るのではなく、成りたいのだ。つくるではなく、なるのがよい。
それがもしも、何であっても、それこそがまたいつか、どこかの地平の虹となるのだ。

 

2019.03.24 Living On the Night.089-100 後記

SASAYAMA.活動十周年にあたる2018年7月を控え、そしてまた、1年間の咽頭炎による休養期間を含め、2010年のスタートから実に9年、定期公演「Living On the Night」大台の100回に臨むという、これ以上ないシリーズ期間を迎えるにあたり、いつも以上に「何をすべきか」よりも「何がしたいか」という想いから、2018年4月ギリギリまで、大いに悩み苦しみながら挑んだ、神話体系シリーズでした。

世界の神話体系を音楽表現化してみたい、という荒唐無稽な衝動から、構想時点で「現状の発表曲すべてを演奏すること」「歌物にそぐわない技巧表現も今期は封印解除すること」を決意し、具現化した一年間、4月のシリーズ開幕時のとてつもない緊張とワクワクが昨日のことのようです。

また会場においては、未知の音響効果の試みや未聴楽曲も多く、戸惑いの空気もありましたがそれさえも含め、芸術表現の諸所を味わい、時に訝しみつつも、新しさと懐かしさ、その体験を包括して楽しんで頂いたすべてのファンの皆様に、本当に心より感謝します。

自身としても大風呂敷だと自覚していた通年テーマ、とにかく無事に終了し、感無量です。
音楽家として、幸せな一年間でした、どうもありがとう。

SASAYAMA.