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ボーカリスト活動20周年に寄せて

2003年5月25日のPhysalisライブからスタートした、ボーカリストとしての活動が、無事に20年を迎えました。

大きな意味もないのだけれど、自分の音楽を愛してくれる人にとって、あるいはそれ以上に、自分の音楽を愛している自分にとってはひとつ、区切りに他ならないものなので、ここにひとつ、今の想いを簡素にしたためておこうと思う。

ちょうど一年前、活動20年目、あるいは20周年に向けて「流刑地にて」をリリースしたが、当時のテキスト『「相対する相対」「韜晦する正体」というフレーズに向かう婉曲的な一本道の時間』という言葉が、この20年間を象徴している。

シングル「流刑地にて-Live20220521-」5月25日発売に寄せて

13歳の頃、はっきりとした未来を描いて踏み出したそれは、僕の人生の大半を占める28年という音楽歴を伴って、今ここにあるが、一方で、描いていたはっきりとした輪郭は、ともすれば今もなおその形を失い続けているようでもある。

しかしながら、イメージする力は実は最初から無限大ではないように、失っている輪郭とは言い換えれば、限界の線引きの消失でもあり、ドラムをやめ、ボーカリストになった20年前と比べても、この声は自由になり続けている。

幼少期、歌うことが好きな日々を送ったこともなければ、未だに歌を生き甲斐などと感じたこともない。
強いて言えば楽しいと感じ、あるいは感じ直し続けている。不思議なことに、20年前のあの日とまったく同じように。

たとえば歌うことをやめても、きっと生きてゆける。歌わない日々が続けば、その日々に慣れることもできるだろう。
それでも歌うたびに、歌うことが好きだな、と思ってしまうのだろう。ただそんなことを繰り返してきた、20年。

そんな20年、関わってくれた全ての人に、そして始まりに付き合ってくれた五十嵐に感謝します。
心から、どうもありがとう。これからもどうぞよろしく。

2023.05.25 SASAYAMA.